定価2,420円(本体2,200円)
発売日2008年7月
ISBN978-4-7917-6418-1
20世紀最大の思想家
ウィトゲンシュタインの
明晰性・厳密さ・審美意識によって
構築された
〈家〉の全ドキュメント。
ウィトゲンシュタインは"職業的"な建築家の教育を受けなかった。幼時に、彼は機械および技術的な問題に強い関心を示していたし、工学を学んではいたが、これらの技術的なものへの関心は、建築の実際的な問題に、まるまる二年間を費やすことになる仕事をなぜ引きうけたか、その理由の説明にはなるまい。建築の外観の立体的な形象は、アドルフ・ロースの建築を想起させる。しかしその内部は二十世紀の建築史においてもユニークなものだ。すべてが、熟慮されている。慣用されていたものからも、職業的なアバンギャルドからも、何ひとつ直接的に移植されたものはない。
【目次】
謝辞
序 バーナード・レイトナー
一九四〇年代初期、ヘルミーネ・ウィトゲンシュタインにより書かれた「家族の回想」
配置図と外部
建築許可のためのプラン
内部
エントランス
扉と窓
証明
柱
主階の床
放熱器
金属仕事
ウィトゲンシュタインからウェーバー商会宛の手紙
解説
ウィトゲンシュタインと建築 黒崎宏
ウィトゲンシュタインの家について 多木浩二
訳者あとがき 磯崎新