定価1,980円(本体予価1,800円)
発売日2026年10月27日
ISBN978-4-7917-1504-6
ロボット/AIの新時代を問う
生産・物流・ケア等の領域で深刻化する人手不足を背景にいま「フィジカルAI」開発への注目が高まっている。生成AIの急速な発展を経て人工知能との「共存」がますます進んでいく社会を、私たちはいかに構想すべきか。本特集では現在進行形の諸問題に加え「ロボット」概念の思想史にも立ち返りつつ、多様な観点からその可能性と課題を検討したい。

[目次]
特集*フィジカルAIとロボティクスの思想
【討議】
「他者」としてのAI・ロボット――倫理学と工学のはざまで考える / 清水颯+松井哲也
【きたるべき倫理のために】
身体をもったAIと人間が向き合うとき――歴史性・自他の重ね合わせ・人格 / 田口茂
フィジカルAI倫理――存在論的デザインから倫理的デザインへ / 河島茂生
実装したいのは「身体」だけなのに――フィジカル化の「副作用」と「遊び」をめぐるロボット倫理学 / 水上拓哉
生きるべきか、死ぬべきか、それが問題でなくなる時――個人化された患者選好予測器と生死の意思決定 / 岡本慎平
【技術をめぐる想像力】
テクノロジーを飼いならす――左派的技術楽観論の再考 / 河西棟馬
AI脅威論をどう受け止めるか――人類の破局と「有徳な無知」 / 鶴田想人
手がキャラ(クター)になるとき――楳図かずお『わたしは真悟』におけるロボットアームの自律的内面と暴走的身体 / 陰山涼
【組み変わる世界と生】
役に立たなくてもよい生のために――自動化・器官なき身体・メタ・ネイチャー / 斉藤賢爾
労働robotaの危機と生殖性 / 小泉空
オートメーションがもたらす労働の変容と自然の再編成――批判理論と都市政治生態学から照射する銅製錬所の七〇年 / 馬渡玲欧
【かれらはすでに傍にいる】
AIロボティクス時代のAI・ロボット共生社会学 / 山崎晶子+山崎敬一
コンパニオンロボットとの共棲――親密性を支える余白と応答の倫理 / 勝野宏史
見えない汚れを、見ていない間に――足元の経験から問うロボット掃除機の民俗学 / 德永紗英
「ロボットにひどいことをしている」――ロボット人形劇の実験的創作をめぐって / 山中海瑠
【未来への道案内】
計算機健康主義を疑う――バグを異質な身体として読むためのブックガイド / 宮本道人
【連載●社会は生きている●第五一回】
社会学の課題2――治療と他者 / 山下祐介
【連載●京都〈移民〉紀行●第二〇回】
広場をつくる(1) / 森千香子
【連載●東京学派と革命●第六回】
直接所与の豊かな規定――『言語・知覚・世界』 / 山口尚
【連載●家族と憲法●第一七回】
天皇のキサキの歴史――配偶者と事実上のキサキ / 木村草太
【連載●対話篇 スコラ哲学と圏論の邂逅●第九回】
スコラ哲学の深奥へ(2)――アルベルトゥス・マグヌス、トマス・アクィナス、ドゥンス・スコトゥス / 山内志朗+西郷甲矢人+鈴木大地
【研究手帖】
少女と〈人ならざるもの〉が開闢する不穏な領域にて囚われること / 浜地百恵