91歳日本語学者、大いに笑う

中村明 著

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91歳日本語学者、大いに笑う

定価2,860円(本体2,600円)

発売日2026年9月26日

ISBN978-4-7917-7812-6

ユーモアの極地
日本語学の泰斗による〈笑い〉と〈ユーモア〉の文章読本、ここに極まれり。
人生をかけて日本語の「可笑しみ」を探究しつづけてきた国語学の泰斗が、笑いを招来するさまざまな技法、レトリックを惜しみなく開陳する。読んでみればさっそく誰かを笑わせたくなること間違いなし、とびきりたのしい日本語のレッスン。

中村明という巨木には、言葉という大量の葉がつき
言語学や日本語教育、表現論、文学史といった、熟しきった見事な果実がなっている。
しかしなかでも「笑いの果実」はこれまでどの学者も手をつけられずにいた。
本書はその禁断の果実を味わおうという企てである。

先生、僕らやることなくなりますよ!
やりすぎです!
――サンキュータツオ

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[目次]

第Ⅰ部 日本語に笑う

第一章 笑いの世界 

笑いの広がり

日常の笑い

笑いの技法
1 二階だけの家――奇先法/2 もう一息でのっぺらぼう――漸層法と漸降法/3 思えば思えば可笑しくって――反復の技法/4 バッタだろうが雪駄だろうが――付加の技法/5 様子を装った――間接化の技法/6 ワン・アウト一塁ダブルプレー――比喩の技法/7 山嵐――換喩/8 眼、口その他の諸先生――擬人法/9 都の真南伏見の杜に――もじり/10 シャネルのぼた餅――イメージ落差/11 夕立みたいな老人――連想落差/12 白玉ぜんざいチロル風――想像娯楽/13 アリスとテレス――二重の響き/14 粉にすれば合う時計――奇妙なふるまい

 

第二章 笑いの伝統ジャンル

さんずいのとり――狂歌

洗濯が夢になり――川柳

夢に見られる女も女――小咄

抱かれているのは俺――落語

 

第三章 笑いの文学散歩

どこか悲しい音がする――夏目漱石/科学史は、愚か者の失敗の歴史――寺田寅彦/卵は立つ形――中谷宇吉郎/へん長らの若いおん長――内田百閒/文化遺産の焼失――続 百閒/読まないほうを選ぶ――戸川秋骨/時間が違う――佐々木邦/人間らしい矛盾――続 邦/臨終にそばが届く――阿部昭/手をたずさえて旅立つ――高田保/腰巻だけ木の枝に――木山捷平/濡れた下駄に雨――続 捷平/最後の、最高の時間――藤原審爾/味噌汁のかおりで明ける――沢村貞子/帽子のリボンが夕日に溶ける――串田孫一/一桁と二桁――井上ひさし

 

第四章 あの日の作家たち――にじみ出る人柄
あとは泣きながら――武者小路実篤/薬味の玉ねぎ――堀口大學/張り出した根を自分の蔭で覆う――大岡昇平/ギュッと締めてフワッと放してふくらます――吉行淳之介/しぶとい人や――小島信夫/死んだ女の手助け――円地文子/書きながら口を動かす――里見弴/現実の中から真実を――田宮虎彦/事実を一分一厘歪めず――瀧井孝作/いづれ退院の日に――網野菊/おーい、忘れ物だ!――小林秀雄

 

第五章 ユーモアの名手たち
尾崎一雄/永井龍男/井伏鱒二/庄野潤三/小沼丹/内田百閒/サトウハチロー/福原麟太郎

 

第六章 現代文学と笑い
花火が果てしなく咲いては消える/においがバウムクーヘンのように/中村屋のカレーとロシアチョコ/死に日和/死の完結
を阻止/胎児とのコミュニケーション/心臓がぽとり/細胞の記憶/あと一歩前へ

 

第Ⅱ部 人生に笑う

第七章 人生を彩る出会い――恩師・知友

半世紀前への散歩
ナカムラ・メイの誕生――波多野完治・勤いそ子夫人/ライオンで乾杯――時枝誠記/稲垣ゼミとG・ネラン/金色の雨―串田孫一/小津安二郎の肖像画――安野光雅・林望/国語教科書の縁/幻の国語辞典/角川国語辞典――吉川泰雄・山田俊雄/受贈本/墓場の酔眠――後藤明生/ふしぎな縁/出会いと別れ――大岡信・谷川俊太郎・辻邦生・小出詞子/水到渠成―井伏鱒二・小沼丹/女房のひたひ目映き――折々の駄句

 

第八章 めぐりあい
質素きわまる結婚式/花の国研時代/夢のような五年/母校の教授おおわらわ/母校でゼミ開く/座敷の風景/来信詣で(上)/来信詣で(下)/恥の描きすて

 

終章 〈長編エッセイ〉 ミドルベリー日本語学校
海を渡る/ジーパンの日本/日本語村の人物群像/キネマの喧騒/脱走兵/愛と言葉/ネクタイ着用のこと/ミスター・アップス


あとがき

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[著者]中村明(なかむら・あきら)
1935年山形県鶴岡市生まれ。早稲田大学名誉教授。主著に 『日
本語文体論』『日本語 語感の辞典』『日本の作家 名表現辞典』『日本語笑いの技法辞典』(岩波書店)、『日本語のおかしみ』『美しい日本語』『日本語の作法』『五感にひびく日本語』『日本語の勘』『日本語名言紀行』『日本語人生百景』『心にしみる日本語』『記憶に残る日本語』(青土社)がある。