フィットネスの社会学

-「最適化」する自己と社会-

竹﨑一真 著

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フィットネスの社会学

定価3,080円(本体2,800円)

発売日2026年8月26日

ISBN978-4-7917-7802-7

もっと健康に、もっと引き締まって、もっと効率よく!

誰もが「整ったからだ」を目指す社会、その正体に迫る

いまやフィットネス文化は、筋肉や体型にとどまらず、睡眠、代謝、集中力、感情、老化にいたるまで、身体のあらゆる領域へと浸透しつつある。自己を管理し、改善し、演出することを促すこの社会の成立過程を、雑誌の言説の変遷や商品の開発の歴史をとおして、鮮やかに浮かび上がらせる。

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[目次]

序文

序章 フィットネスの時代を解剖する

 1 フィットネスの時代

 2 「フィットネス」とは何か

 3 本書の視角――自己と社会を「最適化」させる装置

 4 本書の構成

第一章 フィットネスの社会史――誕生から一九七〇年代まで

 1 はじめに——フィットネスを歴史化する視点

 2 問題化される身体――一九世紀

 3 フィジカルカルチャーの登場――一九世紀末から二〇世紀初頭

 4 国民身体、痩身、美、そしてジェンダー――戦間期

 5 私生活化と政治化――一九五〇年代

 6 座位生活への対抗としてのジョギング――一九六〇年代

 7 運動と予防医学の節合――一九七〇年代

 8 結語――多層化するフィットネス

第二章 『Tarzan』と「フィットネス」――『Tarzan』四〇年の系譜

 1 はじめに——『Tarzan』から「フィットネス」を見渡す

 2 分析の視角と方法

 3 『Tarzan』はどのような雑誌か

 4 共起ネットワーク分析と年次推移が示す『Tarzan』の変容

 5 見出しがつくる「カラダ」――『Tarzan』特集テーマの言説分析

 6 『Tarzan』が編成する「最適化」の身体

 7 結語――『Tarzan』が作ったフィットネス文化

第三章 「もっと自分を好きになる」――ポストフェミニズムと情動の交点

 1 はじめに――フィットスピレーションと女性性の現在

 2 フィットスピレーションとは何か

 3 フィットスピレーションを読み解く視角――ポストフェミニズムと情動の秩序

 4 日本の女性フィットネスをめぐるメディア言説

 5 結語――身体と感情を統治する技術

コラム1 フィットネスジムの変容

     ――総合型フィットネスクラブから二四時間型ジム、コンビニジムへ

第四章 プロテインの産業史――近代栄養学と消費文化の節合

 1 はじめに――プロテインは何を売っているのか

 2 「タンパク質」概念の成立と近代栄養学

 3 プロテイン産業の形成――Plasmonという前史

 4 日本におけるタンパク質観の変容――栄養、国家、食生活

 5 スポーツ栄養学の形成

 6 プロテイン市場の形成

 7 日本におけるスポーツ栄養とプロテイン市場の形成

 8 結語――身体をめぐる欲望と統治の歴史としての栄養

第五章 プロテインブームを読み解く――栄養表示、市場、ジェンダー

 1 はじめに――プロテインブームを読み解く

 2 プロテインをめぐる市場動向

 3 なぜ「高タンパク」表示は増えたのか――プロテインブームを支える制度

 4 メディアを通じた「プロテイン」の展開

 5 女らしい栄養?――女性向けプロテイン商品は、何を売っているのか

 6 結語――「社会的なもの」としてのタンパク質

コラム2 日本におけるmHealthの展開

     ――健康アプリ、ウェアラブル、PHRが変えた「健康管理」のかたち

第六章 フィットネス化するゲーム/ゲーム化するフィットネス――エクサゲームをめぐる技術史

 1 はじめに――メディアと同期する身体

 2 フィットネス化するゲームへの視角

 3 身体を入力するゲームの誕生

 4 DanceDanceRevolutionがもたらした運動革命

 5 身体を読み取るカメラ

 6 Wii Fit――測りながら続ける身体

 7 全身認識、街路空間、そしてネットワークへ

 8 「つながって運動する」時代へ

 9 パンデミックとオンライン化の加速

 10 日本の展開――家庭用エクサゲーム大国から、緩やかなオンライン化へ

 11 結語――身体を再編するゲーム

第七章 バイオハックの政治学――生そのものの「最適化」

 1 はじめに――生そのものの「最適化」

 2 ポストヒューマン化する身体と生物学的市民権

 3 バイオハックとは何か――二つの系譜とその重なり

 4 身体の最適化から生そのものの最適化へ

 5 テクノロジーを通じた自然への回帰

 6 結語――批判的「バイオハック」論

 

終章 最適化の時代に、身体をどう生きるか

 

あとがき

文献一覧

索引

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[著者]

竹﨑一真(たけざき・かずま)

兵庫県出身。1989年生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科体育科学専攻満期取得退学。博士(体育科学)。現在、明治大学情報コミュニケーション学部特任講師。著書に『八頭身とボディビルの社会史——戦後日本における身体美文化の系譜』(青弓社、近刊)。主な論文に「スポーツ科学の社会学——スポーツゲノム科学をめぐる試論」(下竹亮志・石坂友司・清水諭編『スポーツと身体文化の社会学』創文企画、2026年)、「テストステロンの科学はどこへ向かうのか——スポーツと「男性的な物質」の社会学」(『スポーツ社会学研究』32巻2号、2024年)など。