オオウミガラス

-種の絶滅をめぐる物語-

ギースリ・パウルソン 著,上田一生、沼田美穂子 訳

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Google+でシェア
オオウミガラス

定価3,960円(本体3,600円)

発売日2026年6月26日

ISBN978-4-7917-7764-8

ひとつの種をめぐる壮大なタペストリー
若き二人のイギリス人博物学者は憧れのオオウミガラスを探すために、アイスランドへと渡った。しかし彼らはその鳥を見つけることができず、現地での調査の仔細を『ゲアファウル・ノート』として残した。最後にオオウミガラスが目撃された場所はどこか、そして、最後の一羽を殺してしまったのは誰か。「人為による絶滅」に人類がはじめて対峙した時代を克明に描き、ひとつの種の「絶滅」をめぐる人びとの物語から、あらためて人間と自然とのかかわりを考えさせる歴史ノンフィクション。

line2.gif

[目次]

はじめに 失われた鳥
「ゲアファウル・ノート」
フィールドワーク
史跡めぐり

第一章 絶滅への歩み
化石ハンターの功績
生物学の創成
目撃された絶滅
最後の生き残り

第二章 ヴィクトリア時代的な熱狂
魅惑の卵
ジョン・ウォリー(一八二三~一八五九)
アルフレッド・ニュートン(一八二九~一九〇七)
元祖ペンギン
屠殺場

第三章 よちよち歩きのアイスランド探検
おーい、アイスランド!
「食糧袋」エルディ島通過
レイキャビクにて
出発準備
収集家の契約
「必要以上の厚遇」
「より壊れにくい遺産」

第四章 到着
キルキュヴォグルの賓客
「変わり者」
「大西洋というアクアリウム」
バーチャル・アクアリウム

第五章 仕切り直し
足止めの日々
「一羽も発見できず」
証言者たち
「ゲイル」とゲアファウル
恐竜のたどった道

第六章 誇らしげな鳥
ものまね「こんな具合に!」
間抜けか? 視覚障害か?
オオウミガラスの叫び
稀有な集会
皮、骨、羽毛
年がら年中剥製づくり
実態不明の抱卵斑

第七章 解明された課題と時間切れの課題
鳥類の世界
鳥の個体史
「別れの日」
「鳥で覆い尽くされていた」
「絶対に、二度とごめんだ」
「移動したに決まっている」

第八章 一番最近成功した狩り
オオウミガラスを捕らえた一番最近の乗組員
船乗りの物語
「荘厳な出で立ち」
狩り
単純化された物語
翻訳上の問題――「最後の」か「一番最近の」か?

第九章 人間ドラマ
「なにも得られなかったも同然」
ジョン・ウォリーの悲しい運命
「J・ウォリー氏の研究要旨」
舞台をさらったサイミントン・グリーヴ
パスポートと国勢調査

第一〇章 ニュートン絶滅
オオウミガラスの末路とダーウィン
絶滅より「起源」
「おそらく不信感を抱いていた」
運命の皮肉
アルフレッド・ニュートンの再評価
自然界の不自然な成長と崩壊

第一一章 最後のオオウミガラスの行方
誰が最後のオオウミガラスを殺したのか?
海で迷子?
科学捜査的洞察
「オオウミガラスのように絶滅を遂げた」
絶滅回復

あとがき 瀬戸際の選択
「種」の話
系統樹を超えて
生き方と論じ方

謝辞

原注

参考文献

年表

訳者あとがき

line2.gif

[著者]ギースリ・パウルソン(Gisli Paulsson)
アイスランド大学人類学名誉教授。著書に The Human Age、Down to Earth、The Man Who Stole Himself などがある。

[訳者]上田一生(うえだ・かずおき)
東京都出身、ペンギン会議(PCJ)研究員、国際自然保護連合(IUCN)・種の保存委員会(SSC)・ペンギンスペシャリストグループ(PSG)メンバー。著書に『ペンギンは歴史にもクチバシをはさむ 増補新版』(青土社)など。訳書に『ペンギン大全』、『ペンギンもつらいよ』(いずれも青土社、共訳)など。映画監修に『皇帝ペンギン』(リュック・ジャケ監督)など、テレビ監修・出演に『ダーウィンが来た!』などがある。

[訳者]沼田美穂子(ぬまた・みほこ)
東京都出身のフリーランス翻訳者(英日・日英)、日本翻訳連盟認定一級翻訳士(日英、医学・薬学分野)。都内での6年間の会社勤めを経てニュージーランドのオタゴ大学へ大学院留学、コガタペンギンの繁殖行動や野鳥の薬物代謝能などを研究した経験を持つ。訳書に『ペンギンもつらいよ』(青土社、共訳)などがある。