定価3,300円(本体3,000円)
発売日2026年5月26日
ISBN978-4-7917-7785-3
誰が、何のために、波打つ海を測ってきたのか?
あらゆる標高の基準「0(ゼロ)」とされる平均海面。地球を測るうえで不可欠となったこの基線はいかにして生まれ、定着したのか——。その定義や測定方法は、技術の進展のみならず、政治的な思惑や文化的な慣習、地球規模の気候変動に大きく左右されてきた。とある港の記録から国際人工衛星まで、過去300年間にわたる測量と制定の歴史をたどる。

シリーズ編者によるまえがき 深遠な海
はじめに 高地から泥まで
測量手法
基線の策定
データ群の到来
平均に向けて
第1章 海の水位の発見
安定した海を作る
均衡状態
半潮の台頭
測量を自動化する
潮汐を比較する
第2章 測量のインフラストラクチャー
グローバル化という構想
異なる水位
スエズの測量
基準点の構築
植民地測量の手段
第3章 高さの基準
ドイツ帝国のための基準
帝国を測量する
国際的なゼロ点という夢
汎用的な高さ
第4章 変化の諸理論
氷河から浜辺へ
現在進行中のプロセスとしての変化
あらゆるものが動いている
新たな基準
氷河制約
第5章 グローバル化に向かう
現在の変化を説明する
コンセンサスの形成
新たなシナリオ
精度という夢
変化の指標
第6章 上昇する海
海面上昇を理解する
基準という意味
災害を待ち受ける
昔の指標を取り戻す
変動幅を受け入れる
謝辞
訳者あとがき
参考文献
巻末注
索引

[著者]ウィルコ・グラフ・フォン・ハルデンベルク(Wilko Graf von Hardenberg)
科学史・環境史を専門とする歴史家。現在、ベルリンのフンボルト大学にて「自然の音―サウンドスケープと環境意識 1750–1950 年」というプロジェクトを主導している。著書にA Monastery for the Ibex: Conservation, State, and Confl ict on the Gran Paradiso, 1919–1949(University of Pittsburgh Press)などがある。
[訳者]濱浦奈緒子(はまうら・なおこ)
翻訳家。神戸大学国際文化学部卒業、英サセックス大学大学院開発学研究所修了(ジェンダーと開発学修士)。訳書にアラン・スミス『フィナンシャル・タイムズ式図解の技術』(ダイヤモンド社、共訳)、ヴィリ・レードンヴィルタ『デジタルの皇帝たち プラットフォームが国家を超えるとき』(みすず書房)、アンドリュー・リーランド『目の見えない人が見ている世界』(朝日新聞出版)がある。