古事記研究 神話篇

三浦佑之 著

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古事記研究 神話篇

定価2,860円(本体予価2,600円)

発売日2026年4月24日

ISBN978-4-7917-7782-2

オホクニヌシは国を譲ったと言えるのか、黄泉の国はどこにあるのか、竹取物語や万葉集と古事記の関係から、いまなお古事記神話が息づく場所まで……。

その目はもちろん、足でも、古事記の世界を渉猟しつづける著者による、これまでの思索と実践の結晶。

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まえがき

Ⅰ 古事記を考える

第1章 始まりをどう考えるか
人は草である/祖神の考えに従う/制圧されるオホクニヌシ/アマテラスに義はあるか

第2章 戦争と文学 古事記篇
人を殺す/「国譲り」と名付けられた侵略/戦いはどのように描かれるか/滅びを語る者

第3章 誤読された黄泉の国
「攻辺也」の訓み/黄泉比良坂の坂本/黄泉比良坂の坂本、その後/誤脱の浸透/古事記における神話世界の構造

Ⅱ 神仙と古事記、そして万葉集

第1章 古事記にみる神仙世界
宝来山へ/宝来山古墳と神仙思想/タヂマモリの往還と時間観念/蓬莱山と常世の国/仙境と前方後円墳/もういちど常世の国へ

第2章 神仙世界の広がり 「竹取翁歌」と竹取物語
老翁と仙女/ファッショナブルな若者/老いをうたうこと/「寄りなむ」とうたう娘子ら/竹取物語へ

第3章 万葉集のなかの古事記
古事記に直接かかわる歌/万葉集のなかの神話と神がみ/語られる世界のなかの万葉集、そして古事記

Ⅲ 古事記を歩く

第1章 海の幸の都奴賀 地名を読みとく
第一の地名起源譚――血浦/第二の地名起源譚――ツヌガアラシト/地名ツヌガ・ツノガ・ツルガ/ツヌカ・ツノカ・ツルカという名付け/校正時の追い書きに

第2章 比婆山に登る
脊梁山地をはさんで/熊野神社と比婆山信仰/比婆山稜をめざして/旅のおわりに

第3章 出雲神話の女神たち
海の神カムムスヒ/種を生成する女神/貝の女神の母/スクナビコナの母/したたかな女神たち

第4章 三輪山にいます神
(1)幸魂・奇魂
(2)舞う、伊勢と三輪の神
   玄賓のもとへ/伊勢と三輪の神、三輪流動神のこと

第5章 伊勢の国を歩いた神と人
第一回 伊勢神官の創祀/第ニ回 倭比売命/第三回 猿田毘古神/第四回 熊野という世界/第五回 ヤマトタケルの放浪/第六回 飛翔するヤマトタケル/第七回 機知に富んだ采女/第八回 伊勢をめざした二人/連載のあとに

あとがき/初出一覧/参考文献一覧/人名神名索引

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三浦佑之(みうら・すけゆき)

1946年、三重県美杉村(現・津市)生まれ。成城大学文芸学部卒業、同大学院博士課程単位取得退学。共立女子短期大学、千葉大学、立正大学で教鞭をとる。千葉大学名誉教授。古代文学を専攻し、伝承・昔話や地域文化などを多岐にわたり研究。1987年に『村落伝承論』(五柳書院)を著し第5回上代文学会賞受賞。2002年に古老の語り口調で訳した『口語訳 古事記』(文藝春秋)で第1回角川財団学芸賞受賞。2013年に『古事記を読みなおす』(ちくま新書)で第1回古代歴史文化賞みやざき賞受賞。そのほかの著作に『古代研究』、『増補新版 昔話に見る悪と欲望』、『古事記学者ノート(コジオタノート)』(以上、青土社)、『風土記の世界』(岩波新書)、『風土記博物誌』(岩波書店)、『古事記を旅する』(文春文庫)、『増補 日本霊異記の世界』(角川ソフィア文庫)、『口語訳 日本霊異記』(KADOKAWA)、『出雲神話論』(講談社)、『読み解き古事記 神話篇』(朝日新書)、『「海の民」の日本神話』(新潮選書)など多数。