三島由紀夫と唯識

井上隆史、竹村牧男 著

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三島由紀夫と唯識

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2025年9月26日

ISBN978-4-7917-7742-6

三島が読む唯識、唯識が読む三島

昭和を代表する文学者にして、その最期も社会に大きな衝撃を与えた三島由紀夫。生前の最後の作品である『豊饒の海』は輪廻転生という仏教に由来する考えを中心に据えた壮大な物語だった。仏教研究の泰斗と、三島研究の第一人者が、おたがいの見識を重ね合わせ、この不世出の文学者が見ていた世界と描きたかった世界に精緻かつ大胆に迫る。

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はじめに

第1回 何が生まれ変わるのか?

二五年の時を経て
全体の流れ
唯識思想とは何か
識とは何か
現在しかない
三島由紀夫と輪廻観
三島由紀夫を文学史のなかでどう評価するか
三島の唯識理解

第2回 世界は存在するのか?

『豊饒の海』とはいかなる作品か
今日の核心部分
「暴流」をめぐって
「同時更互因果」について
「実有」について」
三島にとって唯識とは
平野啓一郎の三島論

第3回 三島由紀夫とは何者か?

核心へ
三島はなぜ書くのか、何を書くのか
『豊饒の海』はなぜ書かれたのか
三島における夢と美
現実と小説のはざまで
「心々ですさかい」
記憶をめぐって
天皇と『豊饒の海』
世俗を超えた価値

対談を終えて

存在と唯識 竹村牧男

生と唯識  井上隆史

付録 仏教と三島由紀夫――仏教の境位、文学の境位

おわりに

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井上隆史(いのうえ・たかし)

1963年横浜生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科博士課程中退。白百合女子大学文学部教授。専門は日本近代文学。『暴流(ぼる)の人 三島由紀夫』(平凡社)で読売文学賞・やまなし文学賞を受賞。そのほかの著作に『三島由紀夫 幻の遺作を読む』、『大江健三郎論 怪物作家の「本当ノ事」』(以上、光文社新書)、『三島由紀夫『豊饒の海』VS野間宏『青年の環』』(新典社選書)、共著に『21世紀のための三島由紀夫入門』、『三島由紀夫の愛した美術』、『決定版 三島由紀夫全集第42巻 年譜・書誌』(以上、新潮社)などがある。

竹村牧男(たけむら・まきお)

1948 年東京生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院印度哲学専修博士課程中退。三重大学助教授、筑波大学教授、東洋大学教授、東洋大学学長を歴任。東洋大学名誉教授。専門は仏教学、宗教哲学。唯識思想研究で博士(文学)。著書に『唯識の構造』、『華厳とは何か』、『空海の言語哲学』、『空海と華厳思想』(以上、春秋社)、『入門 哲学としての仏教』、『空海の哲学』(以上、講談社現代新書)、『唯識・華厳・空海・西田』、『空海の究極へ』『井上円了 その仏教思想』、『新・空海論』、『良寛 その仏道』、『空海の密教思想』(以上、青土社)などがある。