ポストフェミニズムの夢から醒めて

菊地夏野 著

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ポストフェミニズムの夢から醒めて

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2025年9月11日

ISBN978-4-7917-7733-4

フェミニズムは終わらない、いや終わりようがない
フェミニズムの終焉をかたる「ポストフェミニズム」の時代を経て、私たちは再びその盛り上がりに立ち会っているといわれる。だがそこで喧伝される「新しいフェミニズム」の実像と、その向かう先は果たしてどこまで理解されているだろうか。ネオリベラリズムと結託した「リーン・イン」や「女性活躍」の欺瞞を問い、セックスワーカーやトランスジェンダーへの差別、「慰安婦」問題などそこからこぼれ落ちるものにまなざしを向けることで、見えてくるものとは。フェミニズムをあきらめないための、たしかなる提言。

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[目次]

まえがき  

Ⅰ ポストフェミニズムの時代に可視化されるもの
第1章 憧れと絶望に世界を引き裂くポストフェミニズム――「リーン・イン」、女性活躍、『さよならミニスカート』
第2章 ポストフェミニズムとネオリベラリズム――フェミニズムは終わったのか
第3章 ネオリベラルな家父長制と女性に対する暴力  
第4章 可視化するフェミニズムと見えない絶望――ポストフェミニズムにおける(再)節合に向けて
第5章 ポストフェミニズムから99%のためのフェミニズムへ  
第6章 『逃げ恥』に観るポストフェミニズム――結婚/コンフルエント・ラブ/パートナーシップという幻想

Ⅱ 不可視化されるものとフェミニズムの未来
「雑多なフェミニズム」をめざして―第二部へのはしがきに代えて
第7章 「慰安婦」を忘却させる植民地主義とポストフェミニズム――『帝国の慰安婦』、スピヴァク、ポストコロニアル
第8章 フェミニズムは右傾化したのか?――ネオリベラル・フェミニズムの世界
第9章 AV新法をめぐるフェミニズムの混乱  
第10章 安倍/統一教会問題に見るネオリベラル家父長制――反ジェンダー運動とネオリベラリズムの二重奏
第11章 99%のためのフェミニズムと私たち
第12章 リーン・イン・フェミニズム批判と田中美津の〈どこにもいない女〉
終章 「#MeToo」と「Ni Una Menos」から  


あとがき 
文献

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[著者]菊地夏野(きくち・なつの)
1973 年、宮城県生まれ。名古屋市立大学大学院人間文化研究科教員。専門は社会学、ジェンダー/セクシュアリティ研究。単著に『ポストコロニアリズムとジェンダー』(青弓社、2010)『日本のポストフェミニズム――「女子力」とネオリベラリズム』(大月書店、2019)。共編著に「クィア・スタディーズをひらく」シリーズ(晃洋書房、2019―)ほか。