定価3,080円(本体2,800円)
発売日2025年6月25日
ISBN978-4-7917-7723-5
〈ガザ〉に断罪される世界
パレスチナではいまなお多くの人たちが傷つき、そして、先鋭化を増すアメリカをはじめとした世界の暴力的な構造の中心に、ガザがある。この現実を前に、私たち自身にあらためて真剣に問うべきこととは何か。歴史、文化、社会、政治といったさまざまな視点による6つの対話。

序章
はじめに
1「ガザ一掃」の歴史
2「ガザ一掃」の現在
3 西岸地区、そしてパレスチナ全体との関係
Ⅰ ガザの根源
第1章 パレスチナで起こっている本当のこと
×小田切拓
「オスロ和平」の矛盾と欺瞞/問題「解決」のためのガザ地区の利用/「トランスファー」という絶対的キーワード/シオニズムの一〇〇〇年計画と「民間人の犠牲」/「対テロ戦争」とのリンク、戦場という見本市/中東問題の専門家がいない日本
第2章 パレスチナと第三世界―歴史の交差点から連帯する
×金城美幸×林裕哲
〈一〇・七〉は始まりではない/「人道」とは何か?/オスロ体制という壮大な「罠」/歴史を顧みる新たな回路/批判の立脚を見失わないために
Ⅱ 抵抗の文化
第3章 抵抗する声―本当に必要な、ガザの現場からの、内部からの、当事者からの声を伝える
×松下新土
イスラエルがパレスチナで破壊しているものは何か/一貫する「文化」という問い/殺されているのは全体の環境だ/ガザ地区の「バリアフリー」を想像せよ/本を焼くものは……/「光」とは何か
第4章 抵抗と虐殺をいかに描くか―アート/コミック・ジャーナリズムの可能性
×山本浩貴
はじめに―蛮勇をふるって/ビジュアルの力/歴史研究とジャーナリズム/何が見えるか、何が見えないか/文化による抵抗
Ⅲ 難民の生
第5章 人びとが歴史を動かすとき
×藤田進
はじめに/オーラルヒストリーとジャーナリズム/一〇・七から一九八四へ/誰が歴史を動かすのか
第6章』難民はつくられる―ガザとルワンダを中心に
×小田切拓×米川正子
はじめに/パレスチナ難民とは/難民の軍事利用/「和平」と「援助」の本質―オスロ合意とは何だったのか/何が「ジェノサイド」なのか/難民と国際社会のゆくえ
あとがき

[著者]
早尾貴紀(はやお・たかのり)
1973年生まれ。東京経済大学教授。専攻は社会思想史。著書に『国ってなんだろう?』(平凡社)、『パレスチナ/イスラエル論』(有志舎)、『希望のディアスポラ』(春秋社)、『ユダヤとイスラエルの間』(青土社)、『イスラエルについて知っておきたい30のこと』(平凡社)、『パレスチナ、イスラエル、そして日本のわたしたち』(皓星社)。共編書に『シオニズムの解剖』(人文書院)、『ディアスポラから世界を読む』(明石書店)、『残余の声を聴く 沖縄・韓国・パレスチナ』(明石書店)、『徐京植 回想と対話』(高文研)。訳書にジョー・サッコ『ガザ 欄外の声を求めて FOOTNOTES IN GAZA』(Type Slowly)、ハミッド・ダバシ『イスラエル=アメリカの新植民地主義』(地平社)。共訳書にジョナサン・ボヤーリン/ダニエル・ボヤーリン『ディアスポラの力』(平凡社)、イラン・パペ『パレスチナの民族浄化』(法政大学出版局)、ハミッド・ダバシ『ポスト・オリエンタリズム』(作品社)。共編訳書にサラ・ロイ『ホロコーストからガザへ』(青土社)、サラ・ロイ『なぜガザなのか』(青土社)。監訳書にエラ・ショハット、ロバート・スタム『支配と抵抗の映像文化』(法政大学出版局)。