定価4,180円(本体3,800円)
発売日2025年2月25日
ISBN978-4-7917-7702-0
なぜ死者をあがめるのか。その起源と歴史。
忌むべき「死」を、キリスト教はとりこみ利用していった。亡骸を隔離する古代のタブーがいかにして破られ、死穢を聖別するカーニバルはいかに出現したのか。現代の碩学が発見した〈カルト〉の原像。

[目次]
はじめに――ジョセフ・M・キタガワ
序(一九八一年)
二〇一四年版の増訂版序文
第一章 聖なるものと墳墓
第二章 心地よく秘密めいたところ
第三章 見えざる付き添い(コンパニオン)
第四章 とても特別な死者
第五章 影向
第六章 力能(ポテンシア)
原注
解題 白昼の星天――ピーター・ブラウンの読み方
索引

[著者]ピーター・ブラウン(Peter Brown)
1935 年にダブリン生まれ、オクスフォード大学卒業で、32歳で浩瀚詳細な『アウグスティヌス伝』を書いた。父がスーダン駐在だったことから、アフリカ、アジアなどへの造詣が深く、15ヶ国語以上を読解する。聖者崇拝や禁欲主義が盛んだった「古代末期」は単なる「暗黒時代」ではないと、史学の独自概念を樹立し、ロンドン大学、カリフォルニア大学バークレー校、プリンストン大学で教授を歴任した。バークレー時代にミシェル・フーコーと交友、その遺作『肉の告白』にも影響を及ぼした。「古代末期」と名付けた3世紀から8世紀の研究においては世界的権威。歴史研究はもとより、当時の社会を宗教とくにキリスト教の変遷とともに研究し、多大な功績を残している。邦訳書に『古代末期の世界 ローマ帝国はなぜキリスト教化したか?』(刀水書房)、『アウグスティヌス伝(上・下)』(教文館)、『貧困を愛する者――古代末期におけるキリスト教的慈善の誕生』(慶應大学出版会)など。
[訳者]阿部重夫(あべ・しげお)
1948年東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。日本経済新聞社で社会部、整理部、金融部、証券部、論説委員会を経て92年と94年に新聞協会賞受賞。95年からロンドン駐在編集委員。98年に退社、ケンブリッジ大学客員研究員の後、月刊誌『選択』編集長、2006年に独立系の調査情報誌『FACTA』を創刊、19年に退社し、現在はストイカ・オンライン編集代表。著書に『異端モンタノス派』(平凡社)、『イラク建国』(中公新書)、訳書にW・タバニー『聖霊の舌――異端モンタノス派の滅亡史』(平凡社)。そのほかP・K・ディック、エルンスト・ユンガー、デヴィット・フォスター・ウォレスの翻訳、斎藤栄功『リーマンの牢獄』(講談社)、麻生太郎『自由と繁栄の弧』(幻冬舎)の監修も手掛ける。