定価2,640円(本体2,400円)
発売日2024年3月19日
ISBN978-4-7917-7634-4
それは、アインシュタインも悩ませた――
ユネスコは2025年に量子力学百年を記念する取り組みを行うことを決議した。誕生から1世紀。「合意のないまま」今やあらゆる場所に量子力学は存在する。自らの目で見てきた第一人者が、その不思議と魅力に迫る。

[目次]
はじめに
第1章 新「量子」の意味を問う
――「けいはんな哲学カフェ ゲーテの会」と大澤真幸
第2章 クラウザーはなぜ排除されたのか?
――隠れた変数と量子もつれ
第3章 存在の「非局所性」と量子情報
――「恥じらい」の実在論
第4章 思想で乗り切った量子力学誕生劇
――コペンハーゲン解釈の思想
第5章 量子力学の観測者に見るマッハ残照
――アインシュタインとマッハの四つの時期
第6章 量子情報の前哨戦
――「世紀転換期」のウィーンとプランクのマッハ批判
第7章 エントロピーと主体の参加
――エディントンの二種類の法則
第8章 「真の」理論と「良い」理論
――概念の「粒度」と個物
第9章 量子力学が哲学だった時代
――西田父子と湯川秀樹
第10章 シュレーディンガーのラストメッセージ
――「ウィグナーの友人」とQBism
第11章 因果律のキャリアーとしての実態
――ヒューム人間知性論とマッハの力学批判
第12章 量子力学に見る科学と鑑賞
――ポスト・「サイエンス・ウォー」の風景
おわりに

[著者]佐藤文隆(さとう・ふみたか)
1938年山形県鮎貝村(現白鷹町)生まれ。60年京都大学理学部卒業。京都大学基礎物理学研究所長、京京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議会員、湯川記念財団理事長などを歴任。1973年にブラックホールの解明につながるアインシュタイン方程式におけるトミマツ・サトウ解を発見し、仁科記念賞受賞。1999年に紫綬褒章、2013年に瑞宝中綬章を受けた。京都大学名誉教授、元甲南大学教授。
著書に『アインシュタインが考えたこと』(岩波ジュニア新書、1981)、『宇宙論への招待』(岩波新書、1988)、『物理学の世紀』(集英社新書、1999)、『科学と幸福』(岩波現代文庫、2000)、『職業としての科学』(岩波新書、2011)、『量子力学は世界を記述できるか』(青土社、2011)、『科学と人間』(青土社、2013)、『科学者には世界がこう見える』(青土社、2014)、『科学者、あたりまえを疑う』(青土社、2015)、『歴史のなかの科学』(青土社、2017)、『佐藤文隆先生の量子論』(講談社ブルーバックス、2017)、『量子力学が描く希望の世界』(青土社、2018)、『ある物理学者の回想』(青土社、2019)、『「メカニクス」の科学論』(青土社、2020)、『転換期の科学』(青土社、2022)など多数。