定価6,380円(本体5,800円)
発売日2020年12月24日
ISBN978-4-7917-7338-1
アレクサンドロス大王の遠征、マカベア戦争、エジプトにおける受難、そして殉教者たち——
旧約外典・偽典文書とされながらも読まれ続けてきたマカベア四書は、ヘレニズム時代のユダヤ民族の多様な展開を記すとともに、後世の神学にも多大な影響を与えたまさに重要書である。第一人者が詳細な注と解説を付した渾身の翻訳。

[目次]
凡例
はじめに
マカベア第一書
第1章
アレクサンドロスの支配と王国の分与
アンティオコス・エピファネースの登場
ユダヤ教の中の分派
アンティオコス・エピファネースのエジプト侵入
アンティオコス・エピファネース、エルサレムの聖所に侵入する
人びと、悲嘆の声を上げる
二年後、再び……
二回目の災禍を嘆く歌
王の布告と書簡
祭壇の上に〈荒廃をもたらす忌むべきもの〉が
第2章
マッタティアスの上げた嘆きの声
背教を迫る王から遣わされた者たち、モーデインの街に来る
マッタティアスの応答
マッタティアスの怒りの爆発
わたしにつづくのだ!
荒れ野での無抵抗の結果は……
もし安息日に戦わないならば……
ハシダイオイの一群の参加
死期の近づいたマッタティアス
第3章
ユーダス・マッカバイオス、指揮官になる
ユーダス、アポルローニオスを打ち破る
ユーダス、セーローンを打ち破る
アンティオコス、国事と息子の養育をリュシアスに委ね、遠征する
リュシアス、軍隊をユーダの地に派遣する
エルサレムは今……
ユーダスとその兄弟たち、戦闘の準備をする
ユーダス、民の指揮官たちを任命する
ユーダスの部隊、アンマウースに向かう
第4章
イスラエルに大いなる救いが……
リュシアスの出陣と撤退
聖所の清掃作業
祭壇の奉献と民の歓喜
毎年一度は……
第5章
ユーダスの遠征と勝利の帰還
エフローンでの破壊
二〇〇〇のイスラエルの兵士たち倒れる
ユーダス、ほめ讃えられる
第6章
アンティオコス、エリュマイスの攻略に失敗する
ユーダスのアクラ攻撃と、そこを抜け出した者たちの王へのたれ込み
バイトザカリアでの戦いの準備
エレアザロス・アウアラン、象の下敷きになる
地は安息年を迎え、人びとは飢えに苦しむ
リュシアス、アンティオケイアに戻り、フィリッポスを相手に戦う
第7章
セレウコスの子デーメートリオス、ローマから戻り王になる
アンティオコスとリュシアス、殺害される
律法を足蹴にする者たち、王へ直訴する
デーメートリオス、バッキデースとアルキモスを遣わす
アルキモスの策略
デーメートリオス王、ニカノールを遣わす
ニカノール、戦闘に倒れる
大いなる喜びの日
第8章
ローマ人たちの評判
ユーダス、ローマの元老院に使節を派遣する
元老院からの書簡の写し
第9章
デーメートリオス、バッキデースらを派遣する
ユーダス・マッカバイオスの死
ユーダス・マッカバイオスの亡き骸の埋葬
ヨーナタン、指揮官にして指導者に選ばれる
ヨーアンネース、拉致される
ヨーナタンら、血の復讐をはたす
ヨルダン川での戦い
アルキモス、神の一撃を受けて死ぬ
ヨーナタン、バッキデースと和平を結び、捕虜を返還する
剣戟の音は止み……
第10章
アレクサンドロス・エピファネースの登場とデーメートリオス
ヨーナタン、都の再建工事をはじめる
アレクサンドロス・エピファネース王、ヨーナタンに書簡を送る
ヨーナタン、聖なる衣をまとう
デーメートリオスの立場
デーメートリオスのユダヤ人宛ての書簡
ヨーナタンと民の反応
デーメートリオス、アレクサンドロス王との一騎打ちで倒れる
アレクサンドロス王のプトレマイオス王への言葉
プトレマイオス王の返答
アレクサンドロス王、プトレマイオス王と姻戚関係を結ぶ
ヨーナタン、アレクサンドロスの第一の友人に
ヨーナタン、デーメートリオスに勝利する
ヨーナタンの凱旋
第11章
エジプトの王プトレマイオス、スリアへ向かう
王プトレマイオスの策略
アレクサンドロス、プトレマイオスと戦って敗れる
デーメートリオス、王となる
ヨーナタン、王デーメートリオスを懐柔する
王デーメートリオスのヨーナタン宛ての書簡
トリュフォーンの策謀
デーメートリオス王へのヨーナタンの要請
デーメートリオス王の返事
アンティオコス二世、王になる
アンティオコス二世、ヨーナタンとシモーンを厚遇する
ヨーナタン、エウフラテースの川沿いの町々を経巡る
シモーンとヨーナタンは……
第12章
ヨーナタン、使節をローマに遣わす
スパルタ市民宛のヨーナタンの書簡
スパルタ市民の王アレースのオニアス宛ての書簡
ヨーナタン、デーメートリオスの軍勢を敗走させる
シモーンの行動
ヨーナタンとシモーンの行動
トリュフォーンの野望
トリュフォーン、ヨーナタンを懐柔しようとする
トリュフォーン、ヨーナタンを滅ぼす
ヨーナタンと彼と行動をともにしている者たちの運命は……
第13章
シモーン、指導者に選出される
トリュフォーンのユーダの地への侵入と詐術
アクラの者たち、トリュフォーンに支援をもとめる
ヨーナタン、殺される
ヨーナタン、モーデインの村に葬られる
トリュフォーン、王になり、アシアの王冠を戴く
シモーン、デーメートリオス王のもとへ使いの者たちを送る
シモーン宛てのデーメートリオス王の書簡
イスラエルの独立
シモーン、ガザラの町を清め、そこに自分の家を建てる
シモーン、アクラの中の者たちを追い出し、その穢れを清める
シモーン、ヨーアンネースを指揮官に任命する
第14章
デーメートリオス王、生け捕りにされる
シモーン讃歌のうた
ヨーナタンの死、ローマに伝えられる
スパルタ市民の書簡の写し
エルサレム市民の決議文
第15章
シモーン宛てのアンティオコスの書簡
アンティオコス、トリュフォーンを攻める
各地の王宛てのローマの執政官の書簡
アンティオコス王、トリュフォーンをドーラの町に閉じ込める
アンティオコス王、シモーンの援助を拒否する
アンティオコス王の友人、シモーンのもとへ遣わされる
アンティオコス王、ケンデバイオスを総督に立てる
第16章
シモーン、二人の息子を鼓舞する
ヨーアンネース、ケンデバイオスに立ち向かう
シモーンと二人の息子、酒盛りの最中に殺される
プトレマイオス、王に出来事を報告する
マカベア第二書
第1章
エジプト在住の同胞ユダヤ人宛ての書簡
エジプト在住の同胞ユダヤ人宛てのもうひとつの書簡
第2章
諸記録の中に見出されるイェレミアスの事績
ネエミアスにならったユーダスも……
要約者の前置き
第3章
大祭司オニアスのころのエルサレム
アゴラの管理運営での対立
ヘーリオドーロス、エルサレムに到着する
上を下にの大騒ぎ
ヘーリオドーロス、神の一撃に撃たれる
ヘーリオドーロスの友人たち、大祭司オニアスに懇願する
帰国したヘーリオドーロスの王への報告
第4章
シモーン、大祭司オニアスを謀反人呼ばわりする
オニアスの兄弟ヤソーン、大祭司職を手に入れる
ギリシア化と外国文化の導入
テュロスで開催された競技会とエルサレムからの観客
アンティオコス、エルサレムで歓迎される
メネラオス、大司祭職を手に入れる
メネラオス、約束金未払いで王のもとに召喚される
オニアスの非業の死と主の復讐
聖所荒らしのリュシマコス、殺される
メネラオス、裁判で無罪放免される
第5章
エルサレムの天空に現れた前兆
ヤソーン、異教の地で滅びる
アンティオコスによる都での大殺戮
神殿への侵入とそこでの略奪
アンティオコス、アンティオケイアに凱旋する
アンティオコス、軍団をエルサレムに派遣する
そのころユーダス・マッカバイオスは……
第6章
エルサレムを襲った災禍
主はわれわれを見捨てられたのではない
エレアザロスの高貴なる最期について
第7章
7人の兄弟への拷問――最初の者の場合は
二番目の者に加えられた拷問とその最後の言葉
三番目の者の最後の言葉
四番目の者の最後の言葉
五番目の者の最後の言葉
六番目の者の最後の言葉
母親の最後の言葉
第8章
ユーダス・マッカバイオスの登場
遣わされたニカノールの魂胆とユーダイアへの進軍
マッカバイオスの激励の言葉とニカノールとの交戦
合い言葉は〈神の加護〉
ティモテオスとバッキデースの敗北
ニカノール、ユダヤ人たちについて王へ報告する
第9章
アンティオコス、ペルセポリスへの侵入に失敗
アンティオコスの悲惨な最期と悪あがき
アンティオコスのユダヤ人宛ての書簡
第10章
エルサレムの回復と聖所の潔め
アンティオコ・エウパトール、リュシアスに国事を委ねる
戦いを仕かけるゴルギアスとイドゥーマイアびとたち
マッカバイオス、ティモテオスと戦い勝利する
ティモテオス、惨殺される
第11章
マッカバイオス、リュシアスに立ち向かう
リュシアス、ユダヤ人と和解する
リュシアスの書簡
アンティオコスの書簡
ユダヤ人たちへのアンティオコスの書簡
ユダヤ人宛てのローマ人への手紙
第12章
リュシアス、エルサレムを離れる
ヨッペーの住民たちが働いた悪事
ユーダス、セムネイアを襲撃する
アラブ人との戦い
ユーダスの軍勢、カスピンの町を制圧する
マッカバイオス、ティモテオスに立ち向かう
ユーダス、カルニオンとアテルガティオンで勝利する
ユーダスら、スキュトポリスの住民に感謝する
ユーダスら、ゴルギアスに立ち向かう
ヤムネイアの偶像のお守りが発見される
第13章
アンティオコス・エウパトール王のユーダイア侵入とメネラオスの処刑
王の考えたユダヤ人への仕打ちとユーダスの主への嘆願
ユーダスの勝利
アンティオコス、ユダヤ人と和解する
アンティオコス、アンティオケイアに戻る
第14章
デーメートリオスの登場とその報復
ニカノールとユーダスの和解
アルキモスの讒言とニカノールの裏切り
ラジスの死
第15章
ニカノールの目論み
マッカバイオスの確信と彼が見た幻
ユーダスの見た夢
ユーダスの配下の者たちの献身
ユーダスの軍勢とニカノールの軍勢の戦い
ニカノールの首、エルサレムのアクラに吊るされる
物語の終わりにあたって
マカベア第三書
第1章
ラフィアの戦い
フィロパトール、勝利を収める
フィロパトール、エルサレム神殿の至聖所に入場しようとする
人びとの抗議と神への嘆願
第2章
大祭司シモーン、神に祈り嘆願する
神、フィロパトールに懲罰を加える
フィロパトール、エジプトで悪事を重ねる
第3章
フィロパトール、怒りをユダヤ人にぶつける
王の書簡、ユダヤ人たちを非難する
第4章
王の布告が届くと……
ユダヤ人たち、アレクサンドレイアの競馬場に投げ込まれる
ユダヤ人たち、登録される
第5章
王、象の世話係を呼び出す
ユダヤ人たちの嘆願
聞かれた嘆願
宴会での王の命令
次の日の朝になると……
象部隊長のヘルモーン、縮み上がる
王の気まぐれな命令
二転三転する王の気まぐれ
町の競馬場では
第6章
エレアザロスの祈り
王と象部隊、競馬場に到着する
二人のみ使いの登場と象の動き
王の叱責とユダヤ人たちの解放
王、ユダヤ人たちに好意を示す
ユダヤ人たちの敵ども、赤っ恥をかく
ユダヤ人たちのもった楽しいひととき
ユダヤ人たちの登録
第7章
王フィロパトールの書簡の内容
ユダヤ人たちは出発の前に……
ユダヤ人たち、酒宴の後、自宅に戻る
マカベア第四書
第1章
前置き――命題について
用語の説明
理性はもろもろの情念を制する
第2章
律性と理性
モーセとヤコーブ
明確となった主題
第3章
ダビデ王の喉の渇き
アシアの王セレウコス・ニカノール
第4章
神殿宝庫の預託金
キリキア知事アポルローニオス、エルサレムへ
アンティオコス・エピファネースとユダヤ人迫害
エジプトの王プトレマイオス、エルサレムに進軍する
第5章
アンティオコス王の命令
祭司エアラザロスとアンティオコスの勧め
エレアザロスの反論
第6章
エレアザロス、拷問をうける
王の側近がかけた憐れみの言葉
エレアザロスの応答
エレアザロス、火刑に処される
第7章
エレアザロス賛歌
第8章
エレアザロスに続く若者たちの処刑
若者たちの決意とその披瀝
第9章
最年長の兄弟の受けた拷問と死
二番目の年上の兄弟たちの受けた拷問と死
第10章
三番目の兄弟の受けた拷問と死
四番目の兄弟の受けた拷問と死
第11章
五番目の兄弟の抗弁と、拷問と、死
六番目の兄弟の受けた拷問と死
第12章
七番目の兄弟の受けた拷問と死
第13章
敬神の念に根ざした理性の優位について
第14章
七人の若者の母親は……
第15章
母親の完全完璧な敬神の念
第16章
敬神の念に根ざした理性こそが……
第17章
処刑されるとき母親は……
殉教した者たちのレガシー
第18章
母親の残した言葉
結び
マカベア四書の解説
あとがきに代えて――神は沈黙のしっぱなし
資料
索引

[著者]秦剛平(はた・ごうへい)
多摩美術大学名誉教授。国際基督教大学、京都大学大学院、ドロプシー大学大学院(フルブライト、Ph.D)を卒業。ペンシルヴァニア大学大学院上級研究院、オックスフォード大学客員教授(1999-2000年)、同大学客員研究員(2001年以降)、現在ケンブリッジ大学(クレア・ホール)フェロー終身会員、(ウォルフソン・コレッジ)フェロー終身会員、イェール大学大学院客員研究員。『七十人訳ギリシア語聖書』のモーセ五書、およびイザヤ書、エレミヤ書、エゼキエル書、十二小預言書、ダニエル書といった預言書、さらには歴史書であるヨシュア記、士師記、サムエル記、列王記、歴代誌の本邦初訳も行なっている。おもな著書に『旧約聖書を美術で読む』『新約聖書を美術で読む』『反ユダヤ主義を美術で読む』『天使と悪魔』(いずれも、青土社)、『美術で読み解く旧約聖書の真実』『美術で読み解く新約聖書の真実』『美術で読み解く聖母マリアとキリスト教伝説』『美術で読み解く聖人伝説』(いずれも、ちくま学芸文庫)、『七十人訳ギリシア語聖書入門』(講談社選書メチエ)ほか多数。訳書にヨセフス『ユダヤ古代誌』(全六巻、ちくま学芸文庫)、『自伝/アピオーンへの反論』(青土社)、J・C・ヴァンダーカム『死海文書のすべて』(青土社)など多数。