1991/06 精神分裂病

-時間と空間のパソロジー-

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定価1,046円(本体951円)

発売日1991年6月

■Compositions libres
  主体の死と構造的メランコリー / 加藤敏
  敗戦コンプレックスについて / 松本健一
  カンゲキ半生記 / わかぎえふ

■連載――異常体験の心理学*6
  大声で叫んで両手を高く投げ出したい / 吉福伸逸

■連載――生命と自己*3
  生命における個体と集団 脳死の問題をめぐって / 木村敏

■連載――性格診断:12のポイント*6
  「ぼく」と呼ぶ男、髪に触れたがる女
   表情・仕種・話し言葉からみる性格の深層 / 田村正晨 絵=杉本潤二

特集=精神分裂病 時間と空間のパソロジー

 

【エピグラム――自生性のミュトス】
分裂病の時空の病理 / 内海健
分裂病の彼方へ / 宇野邦一
〈私〉の射程 永井の思索に触発された思考ノート / 中嶋聡

【出来事としての分裂病】
波・強度・分裂病 出来事の精神病理学に向けて / 花村誠一
聴取の治療学 音楽と分裂病 / 阪下正巳

【時空のトポロジー――フロイト/ラカン/ビオン】
フロイト『科学的心理学草稿』から考える精神病 心的装置の時空と「内」‐「外」の「原分割」 / 南淳三
構造の病 人間という症候 / 藤田博史
精神の幾何学から精神のトポロジーへ / 小笠原晋也
変形作用 / W・R・ビオン (訳=福本修)

【シュレーバー症例をめぐって】
分裂病者における時間空間の変形 / 福本修
スコラ的分裂病論にむけて 根源的受身性の危機 / 福原泰平

【距離と防衛】
身体空間の病理 分裂病のスペーシング‐アタッチング機能仮説 / 市橋秀夫
表現病理学からみた分裂病者の「生きられる空間」
 E・ミンコフスキー再考へのプロローグとして / 伊集院清一

【症状論】
強迫現象と分裂病 特に時空に焦点を当てて / 五味渕隆志
離人症の時間をめぐって 分裂病との関連において / 小野博行

【分裂病のパラダイム――あいだ・ファントム空間・第二臨界期】
解体する時間 木村敏 「アンテ・フェストゥム」 への言語論的アプローチ / 小林敏明
ファントム理論とパターン概念 / 秋山剛
回復過程からみた慢性分裂病者の時空間体験 / 永田俊彦

【分裂病とはなにか】
精神分裂病研究史 / 作田勉
治療と理論のあいだで 精神分裂病をめぐる三角測量 / 安永浩+木村敏+中井久夫 [司会=内海健]

■研究=死のぜいたくと祖霊の貧しさ
  供犠と死 1 バタイユのヘーゲル論から / 佐々木孝次

■研究=乳幼児精神医学の現在
  愛着理論と行動生物学の出会い タヴィストック通信 / 渡辺久子

■連載――夢と幻覚の構造 シニフィアンの精神病理学*6
  眼差しの復権 対象 a としての精神病 / 藤田博史

■連載――アンの迷走 モンゴメリーと村岡花子*2
  海の風景 / 小倉千加子

■海外研究レポート
  双極精神の瓦解 ジュリアン・ジェインズ 『二院制精神の破綻による意識の発生』 / 浜口稔